2009年3月20日金曜日

引き出しの奥

情報量・知識量の多さ・スピードが勝ち抜くポイントだった。
今は、独創的であること・創造できることが重要な時代になった。

とにかくアクション・レスポンスの速いことが大事であり、たくさんコネクションを作っていくことが重要だった。
では、速度を競う中で独創的な発想を持つことができるのか?革新的なものを創造することができるのか?

市場の悪化で売り上げを上げることが難しくなり、外に対して働きかけても自分じゃどうすることもできない状況になった。そこで会社側は、市場の状況が改善されたときやリバウンドに備えておこう、という安易な発想に至る。つまり、今やれることをやって準備しておこうというわけだ。そして、今のプロジェクトをしっかり遂行することが大事だと、社員にはっぱをかけだした。上が「遂行することが大事だ」と言えば、中間管理職の人たちは自分たちのポイントを稼ぐために下をプッシュする。市場の鈍化で客も購買計画がないというのに、今の自分たちができるものを最速のスケジュールで作ろうとする。本当にあきれてしまう。

必死に力技で舵をとりながら流れの急な川を流れてきた。川の流れが緩やかになったのに、次の急な流れの練習も兼ねて、まだ一生懸命舵をとっているのだ。次の急な流れに直面するまで3年くらいその状況を続けたら、その3年後には疲れきってしまうだろう。
流れが緩やかになったのなら、その緩やかな流れに身を委ね、今まで見ることの無かった周りの景色を眺め、川の音に耳を澄ませ、空を仰ぐのがいいだろう。今まで気づかなかったものに気づき、きっと今までとは違った方法が見つかる。川岸に上がってもっと丈夫な新しい船を作ってみるのもいい。川原に咲く花の匂いをかいで見るのもいい。大丈夫。必ずまた川の流れにのって前に進めるから。

今は、今までの自分たちにはできなかったことにチャレンジして、幅を広げていくいいチャンスだ。今までやろうとしてできず、引き出しの奥に眠っていたものを引っ張り出してみよう。