2010年7月31日土曜日

エネルギーの輸出

小学校で、日本には資源が無い、と習った。だから原材料を輸入し加工して売る産業により、成り立っているのだ、と。輸入した原材料を加工することで付加価値をつけ、その製品を輸出することでその加工した分を利益とする。車や電化製品が良い例だったのだろう。

宇宙太陽光発電が軌道に乗れば、石油のような原料でなく、このエネルギー自体を加工品として輸出できるのではないだろうか?原子力発電や水力発電、地上太陽光発電では供給のため、現地にその発電所を設置する必要がある。ところが、宇宙太陽光発電ならば供給はどこでも可能であり、衛星軌道上にある宇宙ステーションから各国へと送電することが来出る。

もしも宇宙太陽光発電によるエネルギーを輸出できたら、日本にとっていい産業になるだろう。

2010年7月30日金曜日

宇宙太陽光発電


ソーラーパワーは、4、5年前まではQセルズとシャープで市場を二分にしていたが、リニューアブルエナジーに注目が集まった途端、どちらもアメリカ、中国企業に追い抜かれた。

一方、宇宙太陽光発電の開発も進められている。国土の狭い日本にはこちらの方が向いているかもしれない。

おかしな例えかもしれないが、地上太陽光発電が麦、宇宙太陽光発電が米に当たるような気がするのだ。育てやすいがそのまま炊いて食べるには不向きな麦、単位面積辺りの収穫量は多いが手間はかかるし水も必要な米。主食同様、その土地にあった発電方法というのがあるのだろう。

カリフォルニアの夏の日差しとその太陽を浴びて大きく育ったヒマワリを見て、ふとそんなことを思った。

2010年7月25日日曜日

Web Shopping - 2

AmazonがAmazonのアカウントとFacebookアカウントと接続できるような機能をスタートした。Facebookのprofileの情報からそのユーザや友達へのギフトのお薦めや、友達の誕生日情報と彼らの好きな映画や音楽情報を使うらしい。前に書いたように個人情報を守るため、ユーザのアカウント情報や購入履歴をFacebookとシェアすることはないようだ。

つまり、個人が自ら公開している情報を、そのリンクされた友達に限定的に使うことはプライバシーの問題にならないということらしい。逆に言えば、公開しているわけではない購入履歴やAmazon上の情報を流すことは問題なのでしないということらしい。

Amazonは製品によってインターナショナルシッピングも可能でオーダできるが、たいていのオンラインショップはインターナショナルシッピングは対応していなかった。ところが最近Banana Republicのオンラインサイトがインターナショナルシッピング可能だということに気づいた。これからはそうなっていくのかもしれない。

Liz Claiborneはアウトレットストアを来年頭までにすべてクローズする。インターネットショッピングの普及とともにアウトレットの存在意義が薄れてきているのだろう。他にもお店をクローズするところは多いが、Jones Apprarelの場合はモールのストアをクローズしてアウトレットにフォーカスする。この場合はモールのお店の売り上げが上がらないからと、去年の在庫を処理する必要があるのかもしれない。

しかし今のPCやMobileのクオリティでは、衣服は本やCDと違って自分がほしいものを選ぶのは難しい。靴はまだいいが、衣服はネットで見た色、素材、質、サイズ、すべてがまだ実物とはほど遠い。これが改善でき、かつARで自分が来たところが見れるまでは、つまりVirtual Shoppingができるまでは、ネットでほとんどのものを買うのは難しいだろう。

2010年7月24日土曜日

Web Shopping - 1

4月には、Facebookは、Google, MSN/Windows Live/Bingに次いで、ポピュラーオンラインサイトランク第三位だったらしい。これだけアクセスがあれば、Social Networkをe-commerceに利用し始める企業がでてくるのは当然だ。様々な企業がFacebookやTwitterでカスタマに呼びかけているのはもちろん、Facebookで友達とオンラインショッピングできるツールを提供したり、グループ購入によるディスカウントGroupon、友達と好きなレストランをシェアーさせるオンラインクーポンなど、いろいろアイディアがでてきている。

おもしろいのは、AmazonもTwitterは使っているが、今のところそこまでSocial Networkに過剰期待はしていない。プライバシーの問題があるからだという。カスタマレビューやレイティングのパイオニアで、オンラインショッピングについては経験値の高いAmazonが言うのだからそうかもしれない。
ただ、私はいつも、Sign Inした後Logoutボタンが探しにくく、一度サーチするとかなりしつこくその情報を使って他の商品を勧めてくるAmazonのページこそ、プライバシーを大切にしないサイトだと感じているので、ちょっと「え?」と思った。

とはいえ、プライバシーの問題という点は、もっともだと思う。隠すほどのことではなくても、他人からいちいち「今週は○○買ったんだね」「先週は△△買ってたよね」「先月の□□はどうだったの?」といろいろとトラックされたら気持ちのいいものではない。しかもそれが見ず知らずの人だったら、ストーカーかと恐れるだろう。

私の意見としては、Social Networkは、友達と食事に行くレストランや映画、消費する食べ物等はSocial Networkを使った展開は有効だが、友達に勧められたからといって同じものを買うわけではない商品には使えないだろう。例えば本や衣服に関して、友達がすすめたからといって、カスタマレビューよりも信憑性があるというわけではないし、その商品を使ったことのない友達とその商品について議論したいわけでもない。つまり、そういう場合、友達である必要性がないということなのだ。

Social Networkにおけるe-commerceは、友達との関連が活かせるものにのみ、機能することになるだろう。

2010年7月23日金曜日

中国進出への次の一歩

中国進出に関して、今週もグーグルの検索が遮断されたというニュースが話題になった。実は技術的な問題だったようだが。

実際に中国進出をしているのは別にグーグルだけではない。半導体ベンダーも皆営業所のみならず、中国にデザインセンターを設置して現地のエンジニアを採用している。しかしそれだけで市場に入っていけるものではないので、皆次の一歩を踏み出し始めた。

AtherosはOpulan TechnologiesというPONの会社を買収した。
Marvellは会社の中国名を新しくした。”美満”と書いて”美しい調和”という意味らしい。中国の顧客やビジネスパートナーと調和しWin-Winの関係を築きながらやっていきたいという思いが込められているようだ。

TIも来月あたり中国市場への進出をアピールするため、中国での大量採用と、それに伴う米国でのジョブカットをするのだろうか?

2010年7月22日木曜日

TIとFreescale

一年ほど前から、TIはFreescaleを買収するのではないかと思っている。TIはアナログと組み込みプロセッサを強化したい。Freescaleは二束三文で買えてその両者の拡充がはかれるだろう。

それとTIは以前NokiaにOMAPを売ることで儲けたが、NokiaがSTに乗り換え、TIのOMAP部門は追いつめられた。もしもそのときTIが起死回生のためFreescale買収を条件にMotorolaとの関係を築いたとしたら?それでFreescaleがMotorolaとの供給契約を終了した時点で携帯事業を撤退、代わりにTIがDroidに乗れたことにも納得がいく。さらにFreescaleは日本とフランスにおける製造を縮小、これも既に日本とフランスに製造拠点を持つTIに吸収されるならば必要だったはずだ。

またFreescaleは車載製品ではシェアが最大。車載用マイコンも多い。バッテリー製品にとって今最大のターゲットは電気自動車のバッテリー。パワー製品を軸にしたいTIにとって、これも魅力的だろう。

Blackstoneが cleantech fund を既存$410Mの18%にあたる$90Mを追加するらしい。Freescaleはもはや必要ないだろう。

かつての母体Motorolaといえば、昨年mobile部門をspin-offさせようとしたがうまくいかず、set-top-box 事業を売りたくても売れず、今年、Mobile Devices Home businessesとEnterprise Mobility Solutions and Networks businessesの二つに分け、後者をNokia Siemensに売る。Nokia Siemensはこの準備のために昨年末に5700のレイオフをして人減らしをしている。
MotorolaはDroid携帯を売っていく道を選択したようだ。

TIがFreescaleを吸収するときには、便乗してOMAP,DSP,ASIC等をレイオフをするだろう。早ければ来月あたりにあるのでは?

2010年7月16日金曜日

円高の先

円高が進行している。

中国のGDPの伸び率の鈍化、アメリカ、ヨーロッパも回復していないなどの海外経済の状況、および、今回の経済危機の影響が他に比べて少なかったことが、円高をあおった。

つまり、他者のよくない結果による円高だ。
例えそうでも、もしもこれが、自ら経済危機を乗り越える方法を考えて実行したことにより導かれた結果であるならば、誇らしいことだ。ところが、実情は政治家を批判し、企業は国際競争力を失ってきている状況で、プラスの結果がでているわけではない。
良かったことは経済危機の影響が少なかったことだが、これは、過去のバブル崩壊の失敗時、バブル期のキリギリス精神を改め、アリ精神に心を入れ替えていたことだろう。無駄遣いや一攫千金思想を止め、堅実に生きることを考えるようになっていたからだと思う。

こう感じるのには理由がある。
私はバブル崩壊後に就職をしたので最初からアメリカ人と仕事をしていて、自分達は家族を犠牲にてアクセク働くアリのようであり、アメリカ人は昼間はずっとバイオリンを弾くが、夕方には家に帰り、休暇をたっぷりとって家族を大切にするキリギリスのような気がしていたのだ。「Don't work hard!」と言って帰る彼らを見て。
ところがこの景気悪化で状況が変わった。休暇を長くとってバケーションというよりも、疲れをとるために休みはとるが、その間もメールはチェックし続け、電話にも出るようになってきた。おそらくVPレベルはここ2年くらい休暇もとっていないだろう。もちろん、職を失うのだはという心配があるからそうしているのだろうが、彼らの仕事に対する距離感が、日本人に近くなってきたような気がする。
私にはこれが、かつての日本のように、彼らもアリになってきたように見えるのだ。それだけアメリカ人は危機感を感じて、必死で頑張っていると思う。

ここで問題なのは、逆に危機感も感じず、変わらずにいる日本だろう。
周りが神輿を担いで日本をその神輿の上に載せた。楽なのでその神輿の上に鎮座する日本。かたや、必死に神輿を担いで原に力を入れて走る他国。神輿を担いで走った分、力をつけてくるだろう。彼らが神輿を担ぐ必要がなくなり、各自で走った方がよく走れるようになったとき、誰も担いでくれなくなった神輿に座っていた日本はどうなるのだろうか?担ぎ手に居なくなりその場に取り残された神輿の上で途方にくれるなんてことがないよう、神輿から降りて、一緒に担いでいきたいものだ。そうでないと、他国が復活して成長しだした時、地面に置かれた分高さを失い、円が暴落、足が弱っていて走ることもできず、自分だけが取り残されるということになりかねない。
つまり、自分の意志で神輿に上ったわけでもなく、ただ担ぎ上げられたことに気づいていないことそして、そういう場合担いでいる人間の都合でおろされてしまうということが問題なのだ。

人間は失うのが怖い。だが、まず自分が神輿の上にいることを認識し、その楽さを捨て、降りて、一緒に腹に力を入れて走っていくべきだ。

広い視野で見るべきこと

時々ふと「あぁ、そうか」と思うことがある。頭ではわかっていても、理解が自分の感覚として身になった感じがするときだ。例えば、苛められるとつらいとわかっていても、実際苛められてみないと、どういう気持ちがして、どんな風につらいのかまでは実際にはわからない。

たまたま今日思ったのは、お金の流れだ。これは実体験で「あぁ、そうか」とわかったというわけではないが、何かが頭の中でつながった気がした。

お金の流れを正常に維持するには、輸出入の両方が必要ということだ。

日本に住む日本人から儲けている企業がアメリカにオフィスをつくりアメリカ企業に投資する場合、これは完全に日本のお金をアメリカに投資するという、日本のお金を外に出すことを意味する。買い、だ。あるいはヨーロッパの車やブランド品を好んで輸入する。ということは逆に、アメリカや他国からお金を回収する企業が必要になる。例えば日本に石油やダイヤのような埋蔵資源があれば、それを売ることでお金を回収することができる。日本にはそういう資源はないので、何か別の売るものが必要になる。だから、車や電化製品といった工業製品をつくって輸出し、売っているのだと。こっちが、売り。

資金が与えられた人にとって、売るのと買うの、どちらが難しいか?訊くまでもない。売るのに決まっている。
お金さえ与えられれば、買うのは誰でもできるのだ。子供でもできる。投資だって回収できない投資なら、子供だってできる。今後アメリカ国内のベンチャーキャピタルの数は減少する。景気がよければ誰でも投資家になれるが、景気が悪いとほとんどの人間が投資家になれない。回収が望めないからだ。だから、減少する。

ちなみに、これは投資家に限らない。景気がよければ、誰でもいいマーケッター、いいセールスマンになれ、誰でもいい上司、いい社長になれるのだ。景気が悪いとほとんどの人が、駄目なマーケッター、駄目なセールスマン、悪い社長、悪い上司になる。

この売りと買いについて、自分がアメリカに住んでビザのことで苦労してわかった。駐在員用のEビザは、日本企業が投資することで与えられるビザ。つまり、日本企業がお金を払って買っている。だから、ビザを売ったアメリカにとって、日本がその投資を回収しようがしまいが、どちらでもいいのだ。それに対し、Hビザというのは、個人が自分の能力を売って、アメリカ企業に給料という形でそれを買ってもらうものだ。だから、買ったものがアメリカの役に立たなければ途中で買うのをやめることもある。特に今のように景気が悪くて財布のひもが固ければ特にやめるだろう。だから、売る方のHビザの方が、買う方のEビザよりもはるかに難しいのだ。

海外でものを売ることができなければ、海外からものを買うことができない。円高で輸出が弱まれば、売りと買いのバランスをとるために、輸入、つまり海外への投資も縮小するべきだ。ところが実際は、円高の勢いで海外への投資ばかり考え、自分たちの何かを海外へ売ることを全く考えていない。国内でしか稼がない会社が海外へ投資するのはよくない傾向だ。必ずしも自ら輸出をしろということではなく、輸出する企業を支援するなどの道を確保するための援助をすればいい。自社のキャッシュフローのみを見るのではなく、もっと広い視野を持って考えることが求められる。

買うのは簡単で、売るのが難しい。だから、そういった買うことしか視野にない人間をつくるべきではない。売ることのできる人間が、その売った利益から、次につながる投資をするべきなのだろう。今、日本企業は買うことにリソースをつぎ込むのをやめ、何を売るべきかということを真剣に考えるべきなのではないだろうか?

2010年7月7日水曜日

ソーラーパワー市場

グリーンエネルギー上位ランキングはほとんどオレゴンだということを書いたが、オレゴンで盛んなのはソーラーパワーだ。例えば、Solexantが商業用の太陽光発電所を作るらしいが、そのほとんどはオレゴンだ。

ところで、ソーラーパワーの市場はというと、Solyndraが今年計画されていたIPOを延期していたように、すでに次のステージに入っている。価格競争が始まっていて、コンソリデーションが進んできている。既にナンバーワンのFirst Solarのコンペとして、TSMCの投資するStion、Q-Cellsの投資するSolariaと、台湾やドイツも参入してきている。外資が投資するだけ市場は大きいということだ。

つまり、ソーラーパワー、グリーンエネルギーとは、パイプラインなのだ。その整備のためには巨額の投資が必要になる。Solyndraのバックログは20億ドル以上らしい。小さなベンチャーはどんどんコンソリが進んでいくだろう。

シャープにもTSMC やQ-Cellsのように積極的に参入していってもらいたいところだ。

グリーンパワーに見る好循環

Santa Claraカウンティが、環境保護庁の Green Power コミュニティーランキングで一位だったらしい。他と比べるとトータルの電力使用量がダントツに多いため、Green Powerの割合は6%とそんなに高くなくても、一位になったということもある。しかし、Palo Altoも7位に入っていて、シリコンバレーが上位に食い込んでいる。

このランキングを見ておもしろいのは、上位30位のうち、ほぼ半分の14個がオレゴンなのだ。さらに言えば、上位10位のうち、2つがカリフォルニア(シリコンバレー)、7つがオレゴン、残り一つがワシントン。

オレゴンは、コロンビア川の豊富な水資源による安定した水力発電が、他州に比べて安価な光熱費を可能にしている。さらに、法人所得税は他の西海岸の州よりも安く、消費税は無い。もちろん、他の州同様、グリーンエネルギーに関しては州からの税額控除がある。企業にとっては、好条件が揃っている。

そしてオレゴンといえば、クラウドが出てきたときに、グーグルがデータセンターを設置していた。同様に、そのすぐ近くのワシントン州クインシーにマイクロソフトやヤフーがデータセンターを設置していた。最近では、ノースカロライナもグーグルやアップルに積極的に税額控除をし、Charlotteにデータセンタを置かせていた。IBMもノースカロライナに設置している。さらに今後、ウィプロ、ジュニパー、マイクロソフトもCharlotteにデータセンターを設置するらしい。やはりデータセンターは、税制優遇措置をしてくれるところにたつのだろう。

またオレゴンには、インテルの世界最大の工場や大学と共同のR&Dセンター、それに伴う大きなコミュニティーがある。ちなみに、米国の再生可能エネルギーの最大購入者はインテルである。そういえば先日インテルがシリコンバレーのデータセンターを売っていたが、これもその分オレゴンに増設したのだろうか?

こうした土台があるが故にソーラーパワーの産業が広がったのであろう。その結果、大企業データセンターを設置して集まってきて、さらに産業が拡張される。好循環だ。

こういう好循環ループを作れるといい。