2009年11月5日木曜日

「人と人」より「人々と人々」のコミュニケーション

メールや電話は、返事を期待するものなので、受けた方はすぐに返事をしないと友達を失うなどの変な強迫観念が生まれる。また、出した方は返事がないとストレスを感じるという、リアクション中毒にかかってしまう。その結果、ストーカー状態になる。

こんなお互いにストレスとプレッシャーを掛け合うコミュニケーションは不健全であり、定着するものではない。ビジネス上も、返事の遅さによって客からの信頼を失うことになり、客とうまい信頼関係を築ける手段とは言いにくい。客が一人、二人と特定であれば可能だが、不特定多数相手だとすべてに即答するなど無理なのだ。

問題はどこにあるのか? 最初の問題は、相手が見えないことなのだ。見えないからイライラする。だから見えるようにする。相手が無視している訳ではなく、忙しいだけで返事をする気持ちがあるということさえわかれば、待てるものだ。次の問題は、受信者が一人であることだ。ある一人の相手に送った場合に返事がないと、人間はイライラする。ところがブログのように相手を特定せずに書いて誰からもリアクションがないとイライラでなく、不安になる。不思議なことに、皆が無視していると怒る気分にはならないのだ。人間とはおもしろい生き物だと思う。

では、どうすればいいのか? やはり、SNS,Twitterのようなゆるくて多数の人間が参加できるコミュニケーションが望ましいのだろう。他の人が返事しても構わないわけだし、その人が他のことに返事をしてももちろん構わない。それがごく普通のフェースツーフェースの会話でなされることなのだ。

結局、人間のコミュニケーションは、「人と人」というよりも「人々と人々」なんだと思う。