2008年12月2日火曜日

信用するための基準とは

返済しきれない程の借金が、この金融破綻を引き起こしたアメリカ。
社会的信用度ゼロからスタートし、借金をすることで信用度が上がっていく加算方式だから、より多額の借金ができることが信用度の高い人であり、ステータスにもなる。クレジットカードの色、すなわち最高限度額の違いがステータスだと言えば、日本人にもピンとくると思う。そういう考えである以上、借金することは悪いことというよりも良いことのように感じる。

クレジットカードとは、信用貸しするカードなのだ。日本ではクレジットカードは翌月全額自動引き落としされるのが当たり前だ。アメリカではクレジットカードは貸付カードなので、最近までクレジットカードの自動引き落としという概念がなかった。翌月明細を見て自分でいくら返済するか決める。例えば1000ドル使ったとしても、最低15ドル程度払えばいい。残りは今度お金があるときに利息と一緒に払う。毎月全額払う私にとっては面倒以外の何者でもないが、フィッシングの多い最近は確認する必要があるのでしょうがない。

余談だが、アメリカのクレジットカードには詐欺の保険の他、事故や病気による失業保険の加入を勧めるものが多い。それだけ、詐欺や失業が多いということなのだろう。日本のカードの海外旅行保険を考えると、平和な国だと思う。

日本人は、日本人という国籍に対して信用を与えるのだと思う。だから、まずデフォルトで信用度○を与えられる。借金をしてブラックリストに載ったり何らかの問題を起こすと、そこから減点される減点方式だ。だから、自分が社会的信用を失うことを極端に恐れ、社会的信用を失うことをした人に対して極端に厳しい。失敗するくらいなら何もしない方がいいと保守的になり、失敗した後立ち直るのに時間と相当の努力を要する。

その日本人という信用の存在は、日本に住む外国人を見るとわかる気がする。例えば、日本人が東京で家を借りようとすると保証人は一人でいいが、彼らが東京で家を借りようとすれば保証人が二人いる。日本人という信用を持っていないからだ。アメリカで家を借りるのに保証人はいらない。デポジットとして少しだけ払っているだけだ。デポジットといっても日本の敷金と違って、1700ドルの家賃でも200ドルから500ドル程度だ。礼金はない。ただし、ここでもクレジットヒストリーが重要で、ないと500ドル、あれば200ドルということになる。つまり、払えなくなった場合に責任をとる保証人でなく、自分個人の信用度がどれくらいかで判断されることになる。

クレジットヒストリーという信用度で判断するシステムでありながら、その信用度の低い人に多額の貸付を行って経済が混乱したアメリカ。今、市民権を持たない人に対し、その信用度に対するチェックが以前よりも厳しくなってきた。移民の受け入れにも消極的になってきている。私もその影響を受けているので、他人事ではない。

日本人同士という信用が自分達の根底にあるため、他国から売り込みにくる人やものをなかなか受け入れられない日本。信用は減点方式であるため、アジアからの輸入食品に問題があってから不信感をどんどん募らせる日本。

今、社会全体が、お互いに懐疑的になっているような気がする。手放しで信用することがいいこととも思わない。信用するための明確な基準がほしい。