2009年2月10日火曜日

ゆとりの中での質への思考

留守電を入れたり、メールを送ったりすると、人はすぐにレスポンスが待ち遠しくなってしまう。なぜか?

経済の成長期には、早く成長する速度が求められ、サービスにおいてもコミュニケーションにおいても質よりもレスポンスの早さが何よりも重要だった。

時間感覚というのは身についてしまうものなのである。例えば、昔はPCが立ち上がったりアプリケーションが開いたりするのに時間がかかってもたいして気にしなかったが、一度早いのに慣れてしまうともう以前のようには待てなくなる。

また、考える前に行動する時代と言えた。例えば、車ででかけるときには、道はカーナビ任せなのですぐに出かけてしまう。以前は、地図を開いて一時間ぐらい眺めながら道順や道の名前を覚えたものだ。道だけではない。出先で簡単に何でも調べられ、相手にも連絡できるため、でかけるときにどこで何をするか調べて覚えたり、待ち合わせ場所と時間を覚える必要もなくなった。記憶力が非常に低下している。

今衰退している中で、成長期の感覚で質よりも速さを求めると空回りしてしまう可能性がある。体内の時間感覚をリセットし、こういうときこそゆっくり考え、質を求めたいものだ。