2010年1月22日金曜日

リソースの再配分

IT関連だった人が、アメリカでは全く関係ない職に移ったりする。アパレル、美容院、介護、清掃、など。以前は不思議に思ったが、今ならなんとなくわかる気がする。社会がそういう構造なんだと。

新卒で成長産業に就職した場合、40年働くとして、その市場が年率二桁の成長を40年間続けることはない。つまり、就職したときにその市場にいた大量の人材が、成長が鈍化するに従って減らされることになるのだ。ワークシェアリングしてリソースは維持し一人当たりの人件費を落とすことで、リソースの総コストは同等に保つことも可能かもしれない。だが、ヨーロッパならいざ知らず、アメリカや日本ではあまりしないだろう。

結果として、減らされた分のリソースがどこかへ移動させられることになるのだが、社会が成長するには、これから成長する市場へと投入する必要がある。これが社会におけるリソースの再配分なのだろう。

キャッシュカウとなったところから問題児に投資を動かすのと同じだ。つまり、これから成長する市場へと再配置する必要があるのだ。ところが現状は、上記したような、アパレル、美容院、介護等、個人経営から抜け出せないような小さな起業をする。上司というのを嫌うからだと思う。上司に気を遣って高い給料をもらうよりも、安くても気楽にやれる方を選ぶのだ。

そういう人生もありだと思う。かまわない。ただ、「そこで自分が成長し続けられるのか?」という疑問が残る。人間が成長しないのに、社会や国が成長するのだろうか?

だから、私も含め、一人一人が成長することにハングリーでなければならないと思う。