2009年5月29日金曜日

転職にとって大切なのは社交性

なぜこの田舎よりもシリコンバレーの人たちが社交的なのか、今更ながらその理由を実感する。

まず、社交的でないとすぐにクビを切られる。今働いている人間が新しく来た人間を気に入らなければ切るからだ。次に、会社を転々とする場合、お互いの悪口はお互いの状況を悪化させ、お互いに足を引っ張り合って職を失うことになるのだ。LinkedInのリコメンデーションがいい例だろう。例え嫌いな上司でも好かれるように振舞っていればリコメンデーションがもらえ、上司もいい上司だという評判があれば次も管理職を得ることができるわけだ。実際にいい上司かどうかなんてまったく関係ないのだし、数年経ったら辞めるんだから一時的に好かれるように社交的になればいいのだ。

田舎のカルチャーはもっと日本に近い。簡単にクビをきられるわけでもなく、職を転々とするわけではないから、そこまで社交的ではない。とはいえ、日本よりはレイオフが簡単なため、上司に嫌われることを非常に恐れる。上司に従うことは当たり前で、従順にならなければならない。特にこういう不景気の状況下では、その傾向が顕著だ。

どこでも同じだが、経験10年の人と、新入社員だったら、後者のほうが従順になりやすいからそちらが好まれる。失業率の低い状況下では簡単に仕事を探せるため経験者は辞めてしまえばいいが、そうすると残った新入社員ばかりでは仕事自体が行き詰る。つまり管理職にとって大切なのは、癖のある経験者をうまくハンドルできるかどうかなのだ。

今そういう状況がおこっている。経験者が大量に会社を去り、実際のプロジェクトの遂行が以前よりも困難になってきている。その上、その会社を去った経験者が中国人やインド人だったとして、彼らの大多数が自国に帰った場合、彼らは大きな力を得るだろう。そして、アメリカの将来はどうなるのだろうか?