2010年2月17日水曜日

捨てることの勇気

20代の人はまだ会社を辞めやすいのに、30代、40代、50代、と年を重ねるにつれて辞めにくくなる。なぜか?

もちろん家族の問題が大きいだろう。では、なぜ家族がいると辞めにくいのか?まずはお金と体裁、家族達の精神的な不安の問題だろう。家族がいないとしても、お金の問題がないわけではないし、体裁が悪いという問題は残る。その給料と福利厚生、さらには会社での地位を失うのが怖いのだ。年を取れば取るほど、失う給料の額、社会の地位は高くなってて余計捨てにくいから、年齢とともに辞めにくくなる。
人間は自分が今現在もっているものを持っているとはあまり意識しない。それなのに失うとなると急に怖くなるのだ。恋人や家族と同じだ。

最近思う。人間は過去にとらわれて生きる生き物なんだと。なぜかはわからない。悪いことだとトラウマにもなりかねず、その場合捨てたいのに捨てられない。いいことも忘れられない。一度成功した人は、その過去の成功体験が捨てられず、なかなか先に進めない。過去の成功という亡霊から逃れられない。目に見える物ならば無くなったと認識せざるを得ないが、目に見えないものというのは捨てるのが非常に難しい。他人からはたいしたことでなくても、本人にとって甘美な成功というのはたくさんあり、捨てられないのだ。
そして、過去に自分はこうしてできたんだから、また同じようにやればうまくいくんだと自分で思い込んで安心する。そうやって考え続けるからそこの神経回路がしっかりつながりすぎてしまって忘れられないのかもしれない。感情を伴う記憶というのは、記憶に残りやすいということもあるが。両方だろう。

今の仕事にせよ、過去の成功にせよ、持っているが故に前に進めないのならば、一度捨ててみればいい。もちろん、それだけの精神力が必要かもしれないが。失ったことで必死になれば、なんとかなるものじゃないのだろうか?