2010年2月22日月曜日

インターネットで世界はつながったか?

韓国人留学生が、アメリカの大学や大学院卒業後、就職できずに韓国に帰国しているという記事を昨年見た。景気低迷による企業の採用枠の縮小、およびビザの問題らしい。たとえMBAをとっても、ビザのスポンサーになろうという企業が顕著に少なくなってしまったために就職できないということだ。しかも、以前は留学生は卒業後一年間ビザを延長可能だったが、昨年から卒業後90日以内に就職しなければならないなど規定が厳しくなったこともあり、すぐに帰国するのだろう。

自分をとりまく状況が厳しいと他人に厳しくなるのは自然なことだ。自分の中の受け皿が小さくなってくるのだ。そのこと自体が問題を起こすというよりも、実際の問題は、一人がそれをし始めるとそれが伝搬してしまうことだ。結果、お互いを受け入れない世界ができあがる。

インターネットで世界はつながったといういうが、電気がつながったところで、本当の意味で世界がつながったとはいえないのではないか。言葉の読めないページは見ないではないか。言葉だけでなく、その見えない心の垣根を取り払うことが本当に世界中の人間がつながるということではないのだろうか。