2010年2月20日土曜日

パラダイムシフト「平均寿命」

日本ではこれまでずっと平均寿命は延びてきた。だからこれからも延びると思っている。そうだろうか?

平均寿命に医学の進歩が大きく貢献していることは間違いない。しかしその今までの医学は精神に関わらないところで大きく貢献してきたといえるだろう。これは最近になって心療内科というのが増えてきたこと、鬱病や自殺が増えてきたことから言える。

終身雇用や年功序列という約束された安心できる将来がなくなり、将来が見えなくなってきた。職を失う可能性もあり、さらには年金がどれだけもらえるかもわからない。人間にとっての不安の原因とは、「わからなないということ」そのものなのだ。先行きのわからないものに対して不安を感じストレスとなる。そして例えば親の不安が子供に伝わり、その子供の不安のはけ口として学校でいじめが起こるといったように、ストレスがストレスを生み、伝搬していく。

ストレスによる病気を改善する手術や薬がない以上、ストレスによる精神的な病が寿命に影響を与えることは避けられない。おそらくこれからは日本の寿命の延びは穏やかに止まり、さらに減っていくことになるだろう。

少子高齢化が進み社会が高齢者を支えきれなくなったことが、年金を始めとした社会問題につながる。その社会不安が平均寿命を引き下げ、その問題を軽減させていく。そうやって社会はバランスを保とうとしているようにも感じる。ある意味、生物の普遍的な自然現象なのかもしれない。