2010年3月11日木曜日

ソーシャルネットワークの意味

アメリカでは履歴書にソーシャルクラブやボランティア活動への参加が資格のように意味をもつ。そういったソーシャル活動に参加しソーシャルネットワークを持った人間がより評価され、それがその人のアイデンティティを形成していく。特に会をリードしているということが高く評価されるのだ。そういったリーダーシップを持った人間が特別な目立つ人となる。目立つことをよく評価しない日本とは逆だ。

こういうバックグラウンドを考えれば、アメリカでSNSが普及しやすかった理由は自ずと見えてくる。ソーシャルクラブは日本でも多少はある。主婦同士で食事に行ったりお料理を教えたり。ところが働いている人たちにはあまりないのが現状だ。まず、サラリーマンは朝から晩まで平日は働き、土日は家族と過ごす。昔は平日に会社の人と飲みにいくことも多かったが、最近は減ってきた。そういったバックグラウンドの違いがわかれば、日本で普及しにくい理由もわかる。

若い人たちは新しくネット上でのソーシャルネットワークを作ることもあるが、これの普及の理由が見えない。というのも、もともとソーシャルクラブではリーダーシップを含めたコミュニケーション能力を訓練する場なのだ。人間は火を使い、道具を使い、言葉を使うことで進化を遂げてきた動物である。言葉によって思考と双方向コミュニケーションを可能にし脳を進化させたのだから、言葉による思考とコミュニケーションの進化が必要なのだ。

SNSが思考とコミュニケーションを進化させることができるかどうかが、これからの普及を左右するだろう。