2010年3月9日火曜日

「聞くのはただ」「失うものはない」

アメリカ人がよく言う言葉でおもしろいと思うものが二つある。

「聞くのはただだよ。」ところが、聞くのにお金をとるところがある。日本にあるアメリカ大使館だ。ビザに関する質問をしようとしたら、一回につき2129円かかるとあった。一回につきというのは、電話でもメールでもそうで、例えば大使館からの返答メールにもう一度質問をするにも、さらに2129円払う必要がある。聞くのはただだというアメリカ人の感覚が無駄な質問を増やし、それにフィルターをかけるためにチャージしたのだろう。おもしろいことだ。あまり無意味なことを聞いたり同じことを何度も聞くのは悪いと教育された私たちの感覚からすると、実に興味深い。

「何も失うものはない。」これは一歩が踏み出せないときに、背中を押すいい言葉だ。漠然としているが故に不安が生じる。その漠然としたものが何かがわからないから漠然としているのだが、人間はわからないものに対して恐れを感じる。だから、その漠然としたものが何かということを追求するかわりに、逆にその不安に値するものがないとうことを示せば恐怖はなくなるのだ。人間は失うことを恐れる。だから、失うものがないと思えば思い切ってできるのだ。

ということで、昨日フォーンスクリーニングの電話がかかってきて、一時間半後にかけてもらうことにしたのに、電話がなく、3時間半もたってしまった。そこでしびれをきらして自分でかけたらその場でフォーンスクリーニングが終わってしまった。そしてその場でじゃあ人事にインタビューのトラベルの手配を頼むからと言われて切った。
次の日、現地の3時になってもかかってこない。アメリカ人の金曜は早い。特に人事なんてとっくに帰っているかもしれない。そこで次の日再び「昨日は電話ありがとう。ところでインタビューの日決まった?」とお礼がてら電話をしてみた。そうしたら「今あなたへのインビテーションを書いていたところだ。日にちは私が決めるのでなく、人事があなたにコンタクトして決めることになっている」と教えてくれた。いつがいいのかと逆に聞かれたから、再来週は都合が悪いから来週がいいといったらわかったといってくれた。

聞くのはただだし(携帯電話代は固定通話額の中に十分入るので問題ない)、失うものは何もない。ただ、これはやりすぎるとさすがに嫌がられるので気をつけた方がいい。